菊花賞の上がり馬、ミッキースワローの「遅れてきた大物」度を検証する (4ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 また、トーセンホマレボシの半兄はGI天皇賞・秋を制したトーセンジョーダン。甥にあたるトーセンスターダムは、オーストラリアに移籍してつい先日、同地のGIを制している。隠れた良血であり、大一番に強い血統である。

 父系に限らず、母方の血筋も悪くない。祖母のツィンクルブライドは、GI桜花賞に出走して12番人気で2着と奮闘。叔父のペールギュントも、GI高松宮記念において13番人気で2着と"ここ一番"で強さを発揮した。

 レースの勝ちっぷりだけでなく、その血統もひと筋通っているミッキースワロー。やはり、菊花賞で中心視されてもおかしくない存在である。

 その実力は確か。血統的な裏付けもある。では、菊花賞でのレースプランはどうなのか。そこに勝機は見出せるのか。木村記者が再び語る。

「セントライト記念では、福島(いわき特別)での敗戦を踏まえてか、横山典騎手は中団につけて勝利につなげました。位置取りに対して無理することもなく、そこは菊沢騎手には申し訳ないですけど、騎手の腕の差が出た、という印象が強いです。しかも、人気馬をがっちりマークして、折り合いを欠くこともありませんでした。

 菊花賞でも同じようなレースプランになるでしょう。長丁場のため、ペースが落ち着く今回は、追走ももっと楽になると思います。陣営は勝ち負けを期待しているはずです」

 鞍上がベテランの名手・横山典騎手に替わって、もはや春から夏先に見せた取りこぼしもなさそうだ。大一番で比類なき強さを見せるジョッキーが、大一番で強い"血"の能力を存分に引き出すのか、注目である。

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