菊花賞の上がり馬、ミッキースワローの「遅れてきた大物」度を検証する (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi


セントライト記念を快勝したミッキースワローセントライト記念を快勝したミッキースワロー はたして、このミッキースワローの強さは本物か。

「いやぁ~、この馬ははっきり言って"本物"ですよ。潜在能力は世代ではかなり上位と言っていいでしょう」

 デイリー馬三郎の木村拓人記者は、そう太鼓判を押す。ただ、「ただし......」と、自らの評価にも、世間一般的な評判にも、いくつか注釈をつける必要があるという。

「セントライト記念は圧巻のレースぶりでしたが、アルアインをはじめ、春のクラシック組は3カ月以上の休み明け。ミッキースワローもおよそ2カ月ぶりの競馬だったとはいえ、その差は多少あったと思います。

 また、菊花賞に関しては、3000mという距離が必ずしもベストとは言えません。もちろん、適性がないというわけではなく、こなせる範囲だと思います。他に距離適性が高い馬が見当たらない今年のメンバーなら、十分に勝負になるでしょう。イコールではありませんが、2008年の菊花賞を制したオウケンブルースリに適性は近いと思うので、同様の結果を出してもおかしくありません。

 あと、この馬は決して"晩成"というわけではありません。確かに春のクラシックには出走できませんでしたが、春の時点ですでに素質の片鱗は見せていました。デビュー戦を除けば、GII京都新聞杯(5着。5月6日/京都・芝2200m)も、前々走の1000万条件・いわき特別(3着。7月22日/福島・芝1800m)も、勝てていたレースです。ですから、『遅れてきた大物』というのは当てはまらないでしょうね」

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