菊花賞の上がり馬、ミッキースワローの
「遅れてきた大物」度を検証する

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 3歳牡馬クラシック「三冠」の最終戦、GI菊花賞(京都・芝3000m)が10月22日に行なわれる。

 過去10年で、春のクラシック二冠(皐月賞、日本ダービー)に出走していない馬が4頭も勝っている菊花賞。いわゆる「遅れてきた大物」が台頭する理由は、どの馬にとっても未知の距離となる3000m戦が舞台であること、ひと夏越して一気に頭角を現す馬の成長力は計り知れないものがあるからだろう。

 そして、今年の菊花賞もその傾向にハマりそうだ。

 というのも、まずGI日本ダービー(5月28日/東京・芝2400m)の覇者レイデオロが菊花賞をスキップしてGIジャパンカップ(11月26日/東京・芝2400m)へ、同2着のスワーヴリチャードもGIIアルゼンチン共和国杯(東京・芝2500m)へと向かい、同3着のアドミラブルも故障し、世代の"トップ3"が不在だからだ。

 さらに、GI皐月賞(4月16日/中山・芝2000m)を勝ったアルアイン(父ディープインパクト)、同3着のダンビュライト(父ルーラーシップ)は菊花賞に向かうものの、ともに本質的にはマイルから中距離タイプと見られ、3000mという距離が不安視されていることもある。

 それらに代わって、今年の主役候補として注目されているのは、ミッキースワロー(父トーセンホマレボシ)だ。ステップレースのひとつであるGIIセントライト記念(9月18日/中山・芝2200m)では、アルアインを並ぶ間もなく差し切って快勝。まさしく「遅れてきた大物」として、本番の菊花賞でも勝ち負けが期待されている。

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