アエロリットは、秋華賞の「SS系優位」ジンクスを打ち破れる名牝か (3ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki  photo by AFLO

 秋華賞で4コーナーを最初に回ってきた馬は21頭中で1勝、2着1回、3着1回という成績。2007年ダイワスカーレットが勝利し、2000年ヤマカツスズランが2着、2008年プロヴィナージュが3着だった。4コーナーを最初に回った馬の勝率は4.8%、連対率9.8%と低い数字だが、これが2番手となると5頭が勝利し、勝率15.2%、連対率24.2%と、最も成績が良いデータが残っている。逃げるカワキタエンカの2番手で4コーナーを回ってくるのが最善策のようだ。これを実現するのは難しいことではないだろう。

 続いては血統。父クロフネ産駒は重賞勝ち36を数えるが、芝2000m以上での勝利はゼロ。過去115戦で2着7回というデータが残っている。秋華賞では8頭が走り、2011年にホエールキャプチャが1番人気ながら3着に敗れていて、これが唯一の複勝圏内となっている。血統的には厳しいと言わざるを得ない。

 以上、秋華賞におけるアエロリットの勝算を分析したところ、レース間隔や脚質には問題ないが、"血統"という大きな壁が残った。過去、このレースに限らず血統のジンクスを打ち破ってきた馬は少なくないが、それに泣いた馬もまた数知れない。この秋華賞はディープインパクト産駒の5勝を含め、5年連続でサンデーサイレンス系がワンツーフィニッシュを決めているという、サンデーサイレンス系がひときわ得意としているレース。ここに割って入るのは簡単ではないだろう。筆者はアエロリットの好走の可能性は高いが、勝ち切るまでは難しいと見ている。もし勝てるようなら、クロフネ産駒の枠を越えた名牝ということだろう。アエロリットの走りに注目だ。

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