秋華賞に挑むラビットラン。ローズSを快勝した強さは「本物」か (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

「ローズSが終わったあと、(トラックマンなど)関係者の多くは『やられたぁ』っていう顔をしていましたね。この馬はひょっとしたらこれくらい走るかもってことは、みんな、わかっていたんです。ただ、それ以上に不安要素のほうが多かった。それで、半信半疑になって、予想ではなかなか手を出しづらかったんです。

 だから、実際に走られてみると、誰もが『やっぱりなぁ』とも思ったわけです。つまり、ラビットランはもともと『これぐらい走っても不思議はない』と思われていた馬。ローズSで見せた強さは本物ですよ」

 戦績を振り返ってみると、確かにラビットランはデビュー戦でド派手な勝ち方をしている。昨年11月、京都競馬場で行なわれたダート1400mの新馬戦で、2着に7馬身の差をつけて圧勝しているのだ。

 新馬戦を、これだけの大差で勝つというのは、並の馬ではない。

 この馬を管理するのは、数々の名馬を育て上げてきた栗東の角居勝彦厩舎。そんな名門厩舎でも、この結果を受けたあとはにわかに色めき立ち、すぐさま大目標を桜花賞に設定したという。

 だが、その後は思うように事が運ばなかった。

 体調不良、外傷、喉の疾患など、アクシデントに見舞われて、レースを使うこともできなかった。新馬勝ちのあとは、およそ5カ月も実戦から離れて、大目標の桜花賞にはそのスタートラインにすら立てなかった。

 桜花賞が終わったあとに復帰して、春にはダート戦を2戦消化するが、そこでも2着、6着という結果に終わった。期待ほどの成績を残せず、再び休養に入った。

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