サトノもいいけど馬券も獲りたい。現地から凱旋門賞のオッズ&馬場情報 (2ページ目)

  • 土屋真光●文・写真 text by Tsuchiya Masamitsu

 実際、土曜日の開催の合間に芝コースに足を踏み入れてみると、靴にべっとりと水滴や芝が張り付くのかと思いきや、まったく濡れた様子もない。それどころか歩を進めても、フランス独特の凹凸のほかには、のめるような歩きにくさも感じない。さらに、内から12mは仮柵で保護されており、これが凱旋門賞当日には取り外されて、よりいい馬場が姿を現すのではないか。

 ただ、実際に競馬に携わる側からすると、人間の感覚と500kgあまりの馬の感覚とでは大きく異なるようだ。土曜日の第3レースに組まれたGIIロワイヤリュー賞(4歳以上牝限定・芝2400m)に管理馬フュリアクルサーダを出走させた、フランスで開業する小林智調教師は後方からジリジリ伸びるも6着だった同馬の走りを見て、こう話してくれた。

「見た目よりも、実際に馬の方はかなり力が要るように見えますね。最後は我慢比べのような競馬になりましたし、凱旋門賞も似たことになると思います」

 小林調教師は、決して表面上の乾燥=走りやすい馬場ではない、と指摘してくれた。ちなみに、このレースは凱旋門賞と同じ距離で、勝ちタイムは2分35秒5。昨年の同じレースではペネトロメーター3.0で2分31秒44だった。もちろん、ペースもあるので一概にこの時計差だけで判断はできないが、ひとつの指標にはなりそうだ。

 さらに印象的だったのが別の馬に騎乗していた、日本でもおなじみのオリビエ・ペリエ騎手のひと言だ。

「明日は難しい馬場になるよ。もし、もうひと雨が降るならもっと難しくなる」

 これまでに現役最多である凱旋門賞4勝を挙げている名ジョッキーの言葉だけに、その意味合いはより重く受け止めねばならない。

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