凱旋門賞の「世界が見落とした穴馬」をフランス女性記者がささやいた (2ページ目)

  • 土屋真光●文・写真 text by Tsuchiya Masamitsu  photo by PanoramiC/AFLO

「GIを4連勝の内容がパーフェクト。特に"キングジョージ(キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス、7月29日/アスコット・芝2400m)"で古馬牡馬の超有力どころを相手に楽々と勝ってしまうのだから、これに逆らうのはちょっと勇気がいると思います。ただ、そうした馬でも簡単に勝てないのが凱旋門賞です」

 そう分析するガロー記者が穴馬として名前を挙げたのは、ドイツのチンギスシークレット(牡4歳、父ソルジャーホロー)だ。前哨戦のGIIフォワ賞(9月10日/シャンティイ・芝2400m)では、サトノダイヤモンドらを相手に勝利を収めている。

「意外に軽視されているけれど、前走のフォワ賞の内容もかなりいいものでしたし、その前にドイツで勝ったレースも、かなり価値のあるものでした」

 チンギスシークレットは3走前のGIIハンザ大賞(7月1日/ハンブルク・芝2400m)では、昨年のジャパンカップで6着となったイキートス(牡5歳、父アドラーフルーク)を下し、2走前のGIベルリン大賞(ホッペガルテン・芝2400m)では昨年の英国GIエクリプスSの勝ち馬ホークビルを破ってGI初制覇を果たしている。勢いではエネイブルにも負けていない。ブックメーカーでは12~13倍のオッズをつけている。

 チンギスシークレットを推す記者は他にもいる。

「ニエル賞(9月10日/シャンティイ・芝2400m)を勝ったクラックスマンが出走していたら、当然のように人気になっていたはず。そう考えると、同じだけの評価を集めてもおかしくないのにこのオッズはオイシイだろ?」

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