スプリンターズSの穴は3パターン。「まさにそれ!」が1頭ずついる (4ページ目)

  • text by Sportiva
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 最後に、スプリンターズSと言えば、やはり香港馬の存在を忘れてはならない。「スプリント王国」と言われるだけあって、激戦の本国での実績が乏しくても、日本に来ればトップレベルで通用してしまうケースがある。

 そのことを思い知らされたのが、10番人気で頂点に立った2010年のウルトラファンタジーだ。香港でのGI勝ちはなく、軽視された存在だったが、日本ではその実力をいかんなく発揮。香港馬のレベルの高さを存分に見せつけた。

 そんなウルトラファンタジーの再現を狙う香港馬が今回参戦する。ブリザード(せん6歳)である。

 こちらも香港でのGI勝利はなく、3着が最高成績。GIII勝ちはあるものの、それも1回のみで人気が上がる気配はない。だが、香港のスプリント界のレベルを考えれば、この馬でも通用する余地はある。

 そのうえ、かつてウルトラファンタジーを管理していたのは、今回の"刺客"ブリザードと同じイウ調教師。ウルトラファンタジーと比較して、この馬なら「勝算あり」と踏んでの出走かもしれない。穴党としては、狙いたくなる1頭だ。

 混沌とするスプリント界において、はたして「絶対王者」に君臨するような馬が登場するのか。はたまた、あっと驚くような馬の激走により、戦国の様相がこのまま続くのか。瞬きする間もない、1分ちょっとの電撃戦を注視したい。

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