凱旋門賞でサトノダイヤモンドと戦う「国際エリート馬」の華麗な戦歴 (5ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Press Association/AFLO


 ウィンターとカプリは、ともにハイランドリールらと同じクールモアの所属。マイル~中距離路線に向かうと思われたウィンターがこちらに向かってくるからには、それなに勝算があってのことだろう。とはいえ、やはり成績面からは距離には不安が残る。

 一方のカプリは、前走のGI英セントレジャー(9月16日/ドンカスター・芝2920m)を2カ月半ぶりの実戦ながら勝利。その前走は愛ダービー(7月1日/カラ・芝2400m)で、この2つのレースを制したのは47年ぶりの快挙となった。こちらも人気の盲点となりそうだが、特筆すべきは、母の父アナバー、母の母の父リナミックスというフランス向きの血統に、父は無敗で英国ダービーを制したガリレオという配合。秋はこれが2戦目で、上積みという点でも期待ができる。

 ザラックの母は鮮やかな末脚で凱旋門賞を制したザルカヴァという良血。そのため、デビュー時から高い期待を集めていたが、初GIタイトルとなったのが今年7月のサンクルー大賞(7月2日/サンクルー・芝2400m)と、ブレイクまでに時間を要した。ここに来ての本格化とも考えられるが、今回はそのサンクルー大賞から3カ月ぶりのぶっつけ。人気先行のきらいもあるため、その点は割引で考えたい。むしろ、同じサンクルーを舞台にした5月のGIガネー賞(サンクルー・芝2100m)でザラックに勝利したクロスオブスターズ(牡4歳、父シーザスターズ)に一発の魅力を感じる。

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