凱旋門賞でサトノダイヤモンドと戦う「国際エリート馬」の華麗な戦歴 (4ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Press Association/AFLO


 オーダーオブセントジョージはどうか。欧州の長距離GIをこれまでに3勝。コテコテのステイヤーという印象ながら、高速決着だった昨年の凱旋門賞で3着と、大半の予想を覆す走りを見せた。もちろん、豊富なスタミナの裏づけがあるように、渋った馬場も問題なくこなす。凱旋門賞を勝ち切れるほどかというと疑問符がつくが、前走のGI愛セントレジャー(9月10日/カラ・芝2800m)では2着馬に9馬身差をつける圧勝で、昨年以上にパワーアップした感もあるだけに、一発は十分にあり得る。

 その次のグループがサトノダイヤモンドを含む面々で、ここにフォワ賞を勝利したドイツのチンギスシークレット(牡4歳、父ソルジャーホロウ)、アイルランドのウィンター(牝3歳、父ガリレオ)とカプリ(牡3歳、父ガリレオ)、そしてフランスのザラック(牡4歳、父ドバウィ)が含まれる。

 チンギスシークレットは目下3連勝中で、2走前のGIベルリン大賞(8月13日/ホッペガルテン・芝2400m)で待望のGI初勝利を収めた。前走のフォワ賞は伸びあぐねるサトノダイヤモンドとは対照的に、重馬場を完全に味方につけての勝利。それだけに本番も重馬場なら有力候補になるが、硬い馬場だとしても評価を下げないほうがいいかもしれない。というのも、ドイツ調教馬は高速馬場でもいきなりフィットすることが決して珍しくないからだ。2011年に凱旋門賞を制したデインドリームもそうだった。むしろ良馬場で人気を落とすようなら妙味だろう。

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