凱旋門賞でサトノダイヤモンドと戦う「国際エリート馬」の華麗な戦歴 (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Press Association/AFLO


 3番手グループは、フランスのブラムト(牡3歳、父ラジサマン)、昨年の凱旋門賞で2、3着となったアイルランドのハイランドリールとオーダーオブセントジョージ(牡5歳、父ガリレオ)の3頭。

 ブラムトはGI仏2000ギニー(5月14日/ドーヴィル・芝1600m)とGI仏ダービー(6月4日/シャンティイ・芝2100m)を勝ち、今年のフランス3歳二冠馬となった。凱旋門賞の距離は初経験ながら、馬場を経験しているアドバンテージは大きい。ただ、後方一気の鮮やかな勝ちっぷりが目立つが、その実は出遅れによるもので、改善されなければ序盤の位置取りが明暗を分けやすい凱旋門賞においては致命的といえる。また、父ラジサマンは現役時代、マイル志向の強かった馬だけに、やはり距離には不安を残す。

 ハイランドリールについては、もはや説明は不要だろう。日本国内での馬券発売が始まった昨年の凱旋門賞以降、香港ヴァーズ(2着、2016年12月11日/シャティン・芝2400m)、ドバイシーマクラシック(7着、3月25日/メイダン・芝2410m)と、日本で発売された国外レースにもっとも多く出走している。

 しかも、凱旋門賞と香港ヴァーズともに2着と結果も残している。今年の欧州中距離戦線でも、英GIコロネーションC(6月2日/エプソム・芝2400m)、英GIプリンスオブウェールズS(6月21日/アスコット・芝2000m)を勝利しているように、依然能力に衰えはない。しかし、ドバイシーマクラシックや前走の"キングジョージ"(4着)の敗戦から、渋った馬場ではまったくパフォーマンスを発揮できないことも明らかになっている。

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