神戸新聞杯は、横山典騎手があやつるマイスタイルが馬券のスパイス (3ページ目)

 距離に関しては、本質的には中距離馬。ベストは2000mという気がします。実際、陣営がこのあと菊花賞に向かわないのは、その距離への不安が少なからずあるからだと思います。

 2400mはダービーでも勝っている距離ですが、勝ち時計は2分26秒9。同日に同コースで行なわれた1000万条件のレースより3秒以上遅く、前週のオークスに比べても2.8秒も遅いスロー決着でした。実質2000mの競馬だった、と言えなくもありません。それだけに、レースが淡々と流れた場合、若干の心配があります。

 とはいえ、これらはあくまでも「懸念があるとすれば......」という程度のこと。まったく不安は感じていません。よもや負けるようなことがあれば、その辺りが敗因になるのではないか、というレベルの話です。

 キセキと同様、ここでの結果次第で、本番の菊花賞でも好勝負するかもしれないと思っている馬がもう1頭います。ダービーでは10着に敗れたサトノアーサー(牡3歳)です。

 この馬も早い時期から、その高い素質の片鱗は見せていました。ただし、春の時点でそれが開花するまでには至りませんでした。

 そもそも毎日杯からダービーへ直行したように、当時はまだ幼さが抜けず、成長途上だったのではないでしょうか。事実、もともと線の細く見える馬でしたが、3戦目のGIIIきさらぎ賞(2着。2月5日/京都・芝1800m)からは馬体重を減らし続けていましたしね。

 そこからこの夏の間に、どれだけ成長しているのか、どれほど馬体に幅が出てきているのか、非常に注目しています。もし期待どおりに成長してくれていれば、ここでも好勝負できるでしょうし、本番でも上位争いが期待できるような気がします。楽しみな1頭です。

 さて、このレースの「ヒモ穴馬」ですが、先週のローズS、そしてその翌日のセントライト記念でも絶妙な騎乗ぶりを魅せてくれた、横山典弘騎手が手綱を取るマイスタイル(牡3歳)を取り上げたいと思います。

横山典弘騎手が騎乗するマイスタイル横山典弘騎手が騎乗するマイスタイル ローズSでは、6番人気のカワキタエンカを2着に粘り込ませました。当日は台風の接近により、微妙な馬場コンディションとなったうえ、強風が吹き荒れていたと聞いています。そうした状況の中で絶妙なラップを刻み、同馬の持てる能力をギリギリまで出し切って逃げたあのレースぶりには、本当に恐れ入りました。

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