穴党記者も苦悶のメンツ。オールカマーは「超人気薄2頭」で運だめし (4ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 管理するのは、来年2月に定年を迎える尾形充弘調教師。以前、『なんとかこの馬で有馬記念に出たい』と話していて、1998年、1999年と連覇を遂げたグラスワンダー以来のグランプリ制覇を狙っていました。それほどの馬だけに、得意コースでのGII参戦には並々ならぬ意欲を感じます」

 奇しくも、この馬も父ステイゴールドの血を引く。しかし、ここ3戦はふた桁着順が続いて、北海道での近2戦は見せ場さえなかった。そうした状況にあっても巻き返しが期待できるのだろうか。

「今夏の北海道での2戦は敗因がはっきりしています。2走前のGIII函館記念(10着。7月16日/函館・芝2000m)は、重馬場に脚を取られたもの。前走のGII札幌記念(11着。8月20日/札幌・芝2000m)は、他馬とぶつかる不運があって、鞍上の勝浦正樹騎手のコース取りに積極性が欠ける面もありました。

 美浦トレセンに帰厩後は、夏のダメージもなく、順調そのもの。尾形充調教師も『1週前の動きは北海道にいるときよりもいい。得意の中山でいいところを見せてほしい』と巻き返しに手応えを感じているようです。絶好の舞台での復活を期待したいです」

 圧倒的な本命馬も不在で、専門家をも悩ます"大激戦"。はたして今年は、夏の上がり馬が勝つのか、休み明けの実績馬が貫禄を示すのか、はたまた不振続きの"伏兵馬"があっと驚く激走を見せるのか。非常に難解なレースだが、それだけに馬券的な妙味は増すはずだ。

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