穴党記者も苦悶のメンツ。オールカマーは「超人気薄2頭」で運だめし

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 GI天皇賞・秋(10月29日/東京・芝2000m)に照準を合わせたメンバーが集うGIIオールカマー(9月24日/中山・芝2200m)。夏のローカル重賞を戦ってきた馬たちと、ここから始動する重賞実績のある馬たちとの激突がひとつの見どころとなるが、今年はどうも様子がおかしい。「それはメンバーが手薄だから」と指摘するのは、日刊スポーツの松田直樹記者だ。

「例年、夏に力をつけた上がり馬が、秋の始動戦を迎える実績馬に挑む、という構図がこの時期の重賞の焦点。オールカマーもその傾向が強くて、昨年はその前年に有馬記念を勝ったゴールドアクターが貫禄の走りを見せ、一昨年はその前年の秋華賞を制したショウナンパンドラが牡馬勢を一蹴して天皇賞・秋(4着)、ジャパンカップ優勝への足がかりとしました。ここ2年は実績馬が上がり馬を抑える決着となっています。

 ところが、今年はそこまでの実績馬がいません。"GI級"の馬はいても、GI馬は不在。例年と比べて、かなり手薄なメンバー構成と言えます。どうにも"荒れる"雰囲気が強いですね」

 さらに、デイリー馬三郎の木村拓人記者は、"GI級"の馬たちの本気度についても疑問を呈す。

「ステファノス(牡6歳)はGI勝利がないものの、海外を含めて芝2000mのGI戦では2着が3回あります。そういう意味では実績上位ですが、重賞勝ちはわずかに1勝で、それもマイル戦。休み明けのうえ、中山の芝2200m戦で1、2番人気を背負うというのは、この馬にとっては荷が重いような気がします。

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