女傑ファンディーナのローズS。
皐月賞の敗戦でどれだけ強化されたか

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki  photo by AFLO


 次にローテーション。皐月賞や桜花賞の春クラシック第1弾に出走する馬は、年明け2戦目か3戦目くらいが一般的。ファンディーナは1月22日と、年明けの遅めのデビューだったので、つばき賞、フラワーC、皐月賞と、中3週の競馬が3回も続いてしまった。過去30年の皐月賞馬で、中3週以下の間隔が3回続いて勝利したのは1999年のテイエムオペラオーのみ。同馬は4歳時に8戦8勝というとてつもない成績を残した極めてタフな馬だった。繊細な牝馬にテイエムオペラオーのような芸当を求めるのは酷だろう。ファンディーナはデビュー時516kgだった馬体重が、レースを重ねるうちに504kgまで減少していた。連戦の疲れはあったに違いない。

 上記のように、ファンディーナの皐月賞における大きな敗因は、「初めて経験したレース展開」と「中3週が続いたローテーションによる疲労」の2点が挙げられる。牡馬の一線級の中に入り、馬群に揉まれる展開になったのも精神的に楽ではなかっただろう。

 牝馬による無敗の皐月賞馬誕生とはならなかったが、ファンディーナが皐月賞で得た経験は大きい。コース内目で揉まれた経験、いつもより速いレース展開、牡馬の強豪と一緒に走った経験は今後に活きてくるはずだ。デビューから3戦で見せた走りは間違いなくGI級のもの。春にオークス、日本ダービーに向かわず早めにリフレッシュさせたことはプラスに働くはずで、この秋の重賞戦線でも力を発揮できれば、勝ち負けしてくる可能性は高い。

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