優れた馬格のトーセンブレイヴ。「僕が兄弟の出世頭に」と母に誓う (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 そんな良血馬の成長段階で携わってきたスタッフたちは、同馬についてどのように見ているのだろうか。育成を担当したノーザンファーム早来の伊藤隆行氏は、春の取材でこう話していた。

「いかにもキングカメハメハ産駒という感じで、馬格は申し分ありません。育成の初期から好馬体で、乗り味もいいですね。まだ子どもっぽいところはありますが、気持ちが成長すれば、さらによくなるのではないでしょうか」

 トーセンブレイヴは、すでに池江厩舎に移動し調教を積んでいる。デビュー戦のめども立っており、順調なら9月24日の2歳新馬(阪神・芝2000m)がその舞台になる予定だ。

 では、トレセンに来てからの同馬の評価はどんなものなのか。関西競馬専門誌のトラックマンが、その仔細を伝える。

「スタッフからは『背中がゆったりしていて、乗り心地がいい』という声が聞かれます。ギーニョの産駒はまだ大物が出ていないのですが、他の兄たちと比べて『これほどの(いい)感覚は、兄弟で初めてではないか』と話していますね」

 乗り心地については、それなりの手応えを感じている様子。ただ一方で、スタッフの声を聞くと、初戦からいきなり素質を見せるタイプではないのかもしれない。先述のトラックマンが続ける。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る