新潟記念の本命アストラエンブレムは、最強世代の「遅れてきた大物」か (4ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

「まず、道中は折り合いがついているので、距離が敗因ではありません。そして、詰めの甘さも解消されています。前走は完全に勝ちパターンだったにもかかわらず、最後にかわされてしまったのは、どうやら手応えよく上がっていっても、いざ騎手が追い出すと反抗するところがあるみたいなんですよ。あのデムーロ騎手ですら、そこには手こずっているぐらい。レースに前向きになってくれれば、大きいところをいつ勝ってもおかしくありません」

 今や、仕上がりも早くなったアストラエンブレム。使おうと思えば、3週前のGIII関屋記念(8月13日/新潟・芝1600m)にも使えたという。僚馬ロードクエストとの使い分けという事情もあったのだろうが、陣営としては「より自信のあるほう」として、今回のレースを選んだという経緯もあるそうだ。

「厩舎、オーナーサイドともに『GIに出さないといけない馬』という認識は一致しており、ここでの結果次第では、秋はGI天皇賞・秋(10月29日/東京・芝2000m)へ、という青写真が描かれているようです。先週は坂路コースで1番時計を計測するなど、バリバリ乗り込まれています。状態のよさなら、過去一番じゃないでしょうか」

 サトノダイヤモンド、マカヒキ、ディーマジェスティら有力馬がハイレベルなレースを披露し、「最強世代」とも言われた現4歳世代。"遅れてきた大物"がいよいよ表舞台の階段を駆け上がっていくのか。アストラエンブレムにとって、まさに新潟記念はその試金石となる。

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