超名牝アゼリの子、シルヴァンシャーの
資質に育成担当が「キターッ!」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選! 2歳馬情報局(2017年版)
第13回:シルヴァンシャー

 デビュー前の2歳馬を見るうえで、やはり重視するのは、父と母の名前だろう。父である種牡馬の成績はもちろん、母についても、繁殖牝馬として活躍馬を数多く輩出していたり、現役時代に際立つ功績を収めていたりすれば、自然とその馬への注目は増す。

 デビューを控える今年の2歳馬の中にも、「母の功績」によってその動向に熱い視線が送られている馬がいる。シルヴァンシャー(牡2歳/父ディープインパクト)だ。

ディープ×アゼリという超良血馬のシルヴァンシャーディープ×アゼリという超良血馬のシルヴァンシャー 競馬ファンであれば、この若駒の母について知らない人はいないだろう。母アゼリは、アメリカで現役生活を送り、GIを11勝もした"名牝の中の名牝"である。

 2002年には7連勝を飾って、アメリカ競馬の年度代表馬に輝いた。そして、2010年には殿堂入りを果たしたアメリカ競馬界屈指のヒロインなのだ。

 その彼女が2009年から日本で繁殖生活を送っている。そうして、2015年に生まれたのが、シルヴァンシャー。同馬の育成を担当したノーザンファーム早来の木村浩崇氏は今春、この馬への大きな期待を口にしていた。

「(春の時点で)まだ緩さはありますが、重厚で、かつバネがあって、手応えを感じていますね。厩舎の中でも上位の存在で、これは『キタッ』という手応え。跳びが大きくて、こちらの思っている以上の時計が出てしまうんですよね。調教後の息の入りもいいです」

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