上昇気配の逃げ馬ステイインシアトルが、函館記念でぶっちぎる条件 (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 強敵は、前走の巴賞(7月2日/函館・芝1800m)を快勝したサトノアレス(牡3歳)に、昨年の勝ち馬であるマイネルミラノ(牡7歳)あたりか。ステイインシアトルにとって、とりわけ気になるのは、マイネルミラノのほうだろう。

 というのも、6着に敗れた2走前の福島民報杯を勝ったのが、このマイネルミラノ。ぴったりマークされて、早めにかわされると、そこで戦意を喪失させられた。

 舞台が福島から函館に変わるとはいえ、同じローカル競馬場の小回りの2000m戦。同じことが起こらないとは限らない。いや、マイネルミラノが函館を得意とすることを思えば、むしろステイインシアトルを絶好の目標にして、福島民報杯と同様のレースを仕掛けてくる可能性のほうが高いのではないか。

 前出の専門紙記者はこう分析する。

「ステイインシアトルは内にササるという癖があるから、逃げるにしてもラチ沿いを走りたい。そのためには、内枠を引くことが絶対条件。そうして、どれだけ自分のペースに持ち込めるか。あと、本質的には輸送はよくない馬だから、それも克服しなければならない。勝つためには、いくつもの厳しいハードルがあると言えます」

 結果を出すためには、ステイインシアトルが克服すべき課題は多いようだ。とはいえ、前回マイネルミラノに屈したからといって、今回も同じ結果になるとは限らないし、何よりも逃げ馬が気分よく走ったときには"ミラクル"がある。

 函館記念は、ステイインシアトルにとって試金石となる一戦。ここを勝てば、秋以降に大きな期待が一気に膨らむ。

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