有力差し馬が揃うダート戦・プロキオンSこそ「先行馬」で一攫千金だ (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki  photo by Nikkan sports


 昨年は3連勝後の出走で、疲れも残っていたと思われるが、今年はそれに比べてフレッシュな状態での出走となる。この馬もカフジテイク同様、力強い差し脚が武器となるが、昨年のOP エニフS(阪神ダート1400m)では11頭立て6番手からの差しを決めるなど中団からの競馬にも対応できる器用なタイプ。左回りで勝利がないのが気になるが、昨年から経験を重ねパワーアップが見込めるだけに軽視はできない。

 イーデンホール(牡5歳/栗東・中内田充正厩舎/父ゴールドアリュール)は昨秋の500万下(京都・ダート1400m)から4戦3勝でオープン入りと短期間で一気に力をつけ、前走のOP栗東S(5月14日/京都・ダート1400m)で3着に入っての参戦。カフジテイクやキングズガードほどの鋭さはないが、ジワジワと長く脚を使うタイプの差し馬で、早めに動いても上位争いはできそうだ。

 ただ、ここまで取り上げた有力馬はすべて差しタイプ。そういう馬は時に展開が向かず届かないこともあるし、有力馬に差し馬が揃うと牽制し合って共倒れというケースも多い。こういう時に穴で狙いたいのは逃げ先行タイプだ。

 まず、それに当てはまりそうなのがベストマッチョ(牡4歳/美浦・手塚貴久厩舎/父マッチョウノ)だ。明け4歳と若く、今回が10戦目とキャリアも浅いが、前走の麦秋S(6月3日/東京・ダート1400m)で逃げ切って5勝目を挙げている。5戦4勝で臨んだ今年の根岸Sでは2番人気に推されながら12着と大敗したが、当時は3ヵ月の休み明け。今回は中4週と万全のローテーションで臨んでくる。ダート1400mでは6戦して4勝2着1回と好成績。過去9戦すべて東京コースだが、今回も同じ左回りなので大きく戸惑うこともないだろう。父マッチョウノ、母の父ストームキャットは昨年のJBCスプリントを勝ったダノンレジェンドと同じ配合。祖母が米GI馬という血統も魅力たっぷりで、新星登場に相応しい馬と言える。

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