七夕賞で人気のゼーヴィントは、
ここを勝って秋の大舞台を狙える器か

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 そもそもゼーヴィントは、父がディープインパクト、母が古馬となってオープン特別で3勝を飾っているシルキーラグーンという血統で、早くから期待が高かった。そして、デビュー3戦目に初勝利を飾って以降は、3勝、2着3回、3着1回と至って順調な成長曲線を描いてきた。今回の七夕賞をステップにして、秋には大舞台での飛躍が期待されている。

 とはいえ、ここまでの道のりは決して数字で見るほど平坦ではなかった。というのも、昨秋以降は、常に脚元の状態に不安を抱えて、連戦することができなかったからである。

 今回も年明けのGIIアメリカジョッキークラブC(2着。1月22日/中山・芝2200m)以来となる、およそ4カ月半ぶりの実戦。十分に間隔をとったと見れば問題はないが、実際のところはどうなのだろうか。

「前走のあとは、左前脚にやはり不安が出てしまって、大事をとることになったみたいです。そこから『じっくり立て直して』ということで、今回の七夕賞になるんですが、正直なところ、ここも"突貫工事"なのではないかな、という印象があります」

 そう指摘するのは、競馬新聞『勝馬』の野口誠記者。急仕上げでも、七夕賞に挑んでくる事情についても続けて説明する。

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