ラジオNIKKEI賞、穴党記者3人がささやいた「とっておきの1頭」 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 デイリースポーツの豊島俊介記者もこの意見に同意してこう語る。

「サトノクロニクルは将来性十分の素質馬ですが、まだ反応に甘い面が残っていますよね。前走の白百合Sでも勝負どころから激しく手が動いて、それでいて直線の入り口では一瞬前から離されてしまいました。そこからの加速力は素晴らしかったのですが、現状では間違いなく直線の長いコースが合っていると思います。

 とすると、スケールよりも機動力が問われる舞台となる福島の小回り戦、しかも開幕週となれば前も止まらないでしょうから、かなり苦戦を強いられそう。そうしたコースとの相性、さらにハンデ戦ということを考えれば、ここは取りこぼすシーンを迎える可能性が相当高いのではないでしょうか」

 関西日刊スポーツの太田尚樹記者は、厩舎での取材からその点を裏付ける。

「これまでの5戦は、一貫して外回りコースを使われてきたサトノクロニクル。いわゆる"エンジンのかかりが遅いタイプ"という印象があります。前走の白百合Sはハナ差の勝利でしたが、池江調教師は『目標にされそうだったので、いつもより位置を下げて競馬をしてもらったけど、一瞬の切れというのがあまりなかった感じ』と指摘。そのうえで『(今度の)小回りでは、一瞬の切れが必要になると思うんだけど......』と話していました。厩舎としても、小回りで直線の短い福島に対応できるかどうか、そこが課題と見ているのは間違いないでしょう」

 太田記者は、さらに季節的な視点からもサトノクロニクルの死角を挙げた。

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