宝塚記念でキタサンを負かすなら...
同馬に勝っている「あの馬」がいる!

 もちろん、展開次第でどの馬にもその可能性はあると思いますが、出走馬の中でキタサンブラックを破って勝利している唯一の存在、ゴールドアクター(牡6歳)に最も魅力を感じます。近走は人気を裏切っていますが、まだ見限れません。

近走は不甲斐ない結果が続いているゴールドアクターだが...近走は不甲斐ない結果が続いているゴールドアクターだが... ゴールドアクターが優勝して、キタサンブラックを3着に退けたのは、一昨年の有馬記念(2015年12月27日/中山・芝2500m)。当時のキタサンブラックはまだ3歳で成長途上にあったのは確かですが、結果として破っていることは事実です。それに、昨年の有馬記念でもゴールドアクターは、勝ったサトノダイヤモンド、2着キタサンブラックと、僅差の勝負を演じて3着と奮闘しています。

 年明けの2戦がだらしない結果に終わって評価が下がっているようですが、2走前の日経賞(5着。3月25日/中山・芝2500m)は、いかにも休み明けといった状態でした。前走の天皇賞・春(7着)は、出負けしたこともありますし、鞍上の横山典弘騎手が展開を読み間違えたようにも見えました。まだどうなるかわからない部分を残していると思います。

 そもそも有馬記念で好走しているように、このくらいの距離の小回りコースが得意なタイプ。有馬記念の舞台と似た形状の阪神内回り・芝2200m戦は、ゴールドアクターにとってはいい条件だと思います。

 今回も鞍上は横山典騎手。前走が不甲斐ない結果に終わったので、ここに対する思いは相当なものだと思います。おそらく結果を求める"勝負騎乗"で魅せてくれるのではないでしょうか。

 もしかすると、最初からここが勝負で、天皇賞・春では反動を残さないように乗っていたのかも......そんな気さえしてきました。名手であり、勝負師でもあるジョッキーが、どんな騎乗を見せてくれるのか、本当に楽しみです。

 そういうわけで、上半期の締めくくりとなる宝塚記念の「ヒモ穴馬」には、このゴールドアクターを指名したいと思います。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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