個性派のオルフェーヴル、ロードカナロアは
種牡馬として成功するか?

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki  photo by AFLO

 GI日本ダービーが終わり、その翌週の6月3日(土)からは来年のダービーへ向け、早くも2歳戦がスタートした。それと同時に、初年度産駒が2歳を迎えた新種牡馬の産駒も次々とデビューを果たしている。種牡馬の世界は、名馬の仔が期待どおりの走りを見せることもあるが、意外な種牡馬の仔が思わぬ名馬へと育っていくケースもある。そういった馬を探すのも、血統の、競馬の楽しみ方のひとつと言えるだろう。

 今年の新種牡馬は、近年稀に見る豪華ラインアップと言われている。三冠馬オルフェーヴルをはじめ、日本ダービー馬がエイシンフラッシュ、ロジユニヴァースの計3頭。さらに、香港スプリントを連覇したロードカナロアが加わる。その中で、配合された牝馬の質や数からも"2大巨頭"と見られているのがオルフェーヴルロードカナロアだ。今回はこの2頭を分析していきたい。

2年連続凱旋門賞2着。「世界一」目前だった現役時のオルフェーヴル2年連続凱旋門賞2着。「世界一」目前だった現役時のオルフェーヴル
 まずはオルフェーヴル。父に名種牡馬ステイゴールド(その父サンデーサイレンス)を持つ同馬は、過去の三冠馬の中でも極めて個性的で、強烈な印象を残した馬だった。

 新馬戦(新潟・芝1600m)では勝利を挙げながらも、気性の荒さからゴール後に鞍上の池添謙一騎手を振り落とした。その後は連敗を続けたものの、6戦目のGIIスプリングSを制して重賞初制覇を果たしてから一気に力をつけ、GI皐月賞、日本ダービー、GII神戸新聞杯、GI菊花賞と連戦連勝で三冠制覇。古馬との初対戦となったGI有馬記念も勝利し、6連勝で文句なしの年度代表馬に輝いた。

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