鞍上モレイラ&強気クルーズ師。安田記念の香港馬2頭は信じてOKか (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text&photo by Tsuchiya Masamitsu

 そして今年、昨年10月からのシーズン中に消化したレースは10戦と、昨年よりも1戦多く使われている。とすれば、安田記念に向けての余力があるのかどうか、昨年と同じ失敗を再び繰り返すのではないか、という懸念が残る。

 だが、今年は昨年の汚名返上が期待できる3つの強調材料がある。

 ひとつは、この馬の"運"が今、上昇していることだ。前走のチャンピオンズマイルにしても、まさにタナボタ的な勝利だった。

 同レースでは、今年の香港4歳三冠シリーズを総なめしたラッパードラゴンが断然と思われていた。ところが、同馬は3コーナーで故障を発症し、競走中止したのだ。しかも、パンパンの良馬場に近い状態にありながら、レースの勝ちタイムが1分35秒23と遅く、コンテントメントにとって都合のいい流れとなった。

 さらに、この勝利によって国際レーティングがアップ。わずかに足りなかった安田記念へのフルパッケージでの遠征費用補助を全額手にすることができた。そうして、無理のない遠征が可能になったのだ。

 ふたつ目は、日本に到着してから調整過程である。来日スケジュールは昨年と同様で、レース前週の火曜日に到着。この月曜日までは、千葉県白井のJRA競馬学校で調整が行なわれてきた。

 その間、昨年は長くても2000m、おおむね1400m~1800mのキャンターに終始していたが、今年は3000mに及ぶ長いキャンターを連日消化している。それだけハードな調教をこなせているということは、昨年よりも明らかに状態がいい証拠だ。

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