藤沢師の悲願達成へ。ダービーに的を絞ったレイデオロは好材料だらけ (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 そして実際、およそ3カ月半の休み明けで挑んだ皐月賞は5着にとどまった。ソエによる調整遅れもあったが、ホープフルSからぶっつけでのGI獲りはやはり容易なことではなかった。

 レース勘という点においても、物足りなさがあった。スタートでやや後手を踏んで、流れにも乗り切れなかった。最後の直線で猛然と追い込んで5着に入ったものの、この馬本来の力は出し切れていなかった。

 とはいえ、ダービーを大目標と考えるのではあれば、決して悲観する内容ではなかった。ひと叩き、という意味では理想的な復帰戦だったとも言える。早くからレイデオロに注目してきた日刊スポーツの木南友輔記者は、そうした点を肯定的に評価する。

「この馬に関しては、2歳時から藤沢(和雄)調教師が言葉少なめというか、評価が辛口だったんですよね。逆にそれが、期待の表れ、と感じていました。皐月賞へ向かうにあたって、ソエがその調整過程で確かに影響したかもしれませんが、そもそも年明けの早い段階から藤沢師は『ダービーが本命』と言っていて、皐月賞への直行プランは既定路線。『春に中山の2000mを(前哨戦と本番と)2回も走らせることもない』とも語って、藤沢師は泰然自若(たいぜんじじゃく)に構えていました。

 ですから、皐月賞に向けては明らかに余裕残し。絶好調の出来にあるとは思えませんでした。それでも(レイデオロの)力は認めざるを得ないので、本命にしようか迷ったほど。結局、結果は後方から差を詰めてきての5着。この5着、(ダービーに向けては)ものすごく価値があると思います」

3 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る