藤沢師の悲願達成へ。ダービーに的を絞ったレイデオロは好材料だらけ (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 2勝目を挙げたのは、皐月賞と同じ舞台の葉牡丹賞(2016年12月3日/中山・芝2000m)。直線、大外から豪快な末脚を見せて強襲し、2分1秒0の好時計をマークして勝利した。2着馬のコマノインパルスは、のちにGIII京成杯(1月15日/中山・芝2000m)を制したように、決して相手に恵まれたわけではなかった。

 そして、3連勝を飾ったのはGIIホープフルS(2016年12月25日/中山・芝2000m)だった。もともとオープン特別だったが、2014年に重賞レースとなったクラシックへの登竜門。過去にも、ウイニングチケットやエアシャカールといったクラシック馬を生み出してきた由緒ある一戦だ。

 ここでも、後方待機から余裕たっぷりの差し切り勝ち。ホープフルSは今年からGIに昇格することになったが、GI昇格のためにはそのレースレベルと、勝ち馬のパフォーマンスがGIに相応しいか、国際的な基準での評価が求められる。つまり、GI昇格がかなったのは、客観的かつ論理的な国際基準の考察において、レイデオロの走りがGI馬に相応しいと評価されたからとも言える。

 圧巻の3連勝を遂げて、順調に3歳春を迎えていれば、レイデオロは「主役」の座を射止めていたかもしれない。だが、ホープフルS後、前哨戦をこなすことなく、クラシック本番を迎えることになった。そこが嫌われて、その評価はガクンと落ちた。人気のうえでも、本番前にひと叩きして結果を残した面々に譲ることになった。

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