皐月賞ワンツーの池江厩舎。
3頭出しダービーで勝つのは、ズバリこの馬

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Yoshifumi Nakahara/AFLO

 そこへいくと、池江師が三冠馬オルフェーヴルを引き合いに出すなど、アルアインの上昇ぶりには目を見張るものがある。

 また、主戦が若い松山弘平騎手ということもあって、一般的にはその実力が不当に低く評価されているフシがあるが、トレセン内での評価はかなり高いという。前出の専門紙トラックマンが再び語る。

「唯一の敗戦がシンザン記念(6着。1月8日/京都・芝1600m)ですが、あのときはひどい不利があった。それをノーカウントにすれば、この馬は無敗の皐月賞馬なんですよ。

 あと、勝った毎日杯(3月25日/阪神・芝1800m)について、『あれは本来ならサトノアーサーが勝っているレースだった』と、あのレースに乗っていた騎手がみんな言っていました。レースの流れは明らかにサトノアーサーに向いていたんです。なのに、(アルアインを)差せなかった。アルアインは、みんなが思っている以上に強いですよ」

 アルアインに心配があるとすれば、馬よりも、むしろ騎手か。

 日本ダービーという競馬界最高峰のレースで、他のビッグレースともその雰囲気はまったく違う。ある種、異様なムードな中で、若い松山騎手が平常心で戦えるかどうか。

 皐月賞では、レース後にペルシアンナイトに騎乗していたデムーロ騎手からクレームをつけられた。最後の直線では、武豊騎手騎乗のダンビュライトの進路も"妨害"した。松山騎手の騎乗はそれほど荒っぽかった。

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