皐月賞ワンツーの池江厩舎。3頭出しダービーで勝つのは、ズバリこの馬 (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Yoshifumi Nakahara/AFLO

 ズバリ、アルアインだ。

 皐月賞2着のペルシアンナイトは、一瞬の切れ味だけなら3頭の中でも1番だろう。心配されている距離も守備範囲。主戦のミルコ・デムーロ騎手が別馬を選択したものの、替わる鞍上に関東リーディングトップの戸崎圭太騎手を確保できたことも心強い限りだ。

 しかし"一瞬の切れ"というのが、ダービー向きかどうかはやや疑問。距離もこなせるとはいえ、得意というわけではない。結局、本質的に「ダービー向き」とは少しずれる点が、「ダービー向き」の馬との究極の凌ぎ合いになったとき、心許なさを感じる。拠りどころとなるのは、"戸崎マジック"ぐらいか。

 大物サトノアーサーは、あえて皐月賞をパスして成長をうながした。その決断には好感が持てるが、肝心の成長度合いはどうなのか。

「まだまだですわ。馬体が緩すぎます。本当によくなるのは、夏を越してからでしょう」

 そう証言するのは、関西の競馬専門紙トラックマンである。

 もちろん、可能性はゼロではない。「良馬場が絶対条件ですが、完成度イマイチでも今年のメンバーなら(勝つ)可能性はある」と専門紙トラックマン。それほど、同馬の秘めた能力は相当なものなのだ。

 それでも、世代の頂点を争う究極の戦いの中で、少しでも不安があっては絶対的な信頼は置けない。

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