ダービーで急浮上のアドミラブルは、
ローテ、ジンクスの懸念を拭えるか

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki   photo by Nikkansports


 アドミラブルは父が日本ダービーなどGI7勝のディープインパクト、母の父がGI4勝、日本ダービー2着のシンボリクリスエス。そして祖母の兄に日本ダービー勝ち馬フサイチコンコルドがいるという、クラシック血統。血統的に見れば、ダービーはピッタリの条件だ。

 昨年9月の阪神・芝1800m戦でデビュー。ムーヴザワールド、エアウィンザー、ナイトバナレットなどの評判馬が揃ったなか4番人気で出走したが、スタートダッシュがつかず後方からの競馬となり、9着と大敗を喫している。

 その後、ノドの手術のため約5ヵ月休養。復帰2戦目は3月5日、阪神の同じく芝1800m戦だった。レースは先行馬がペースを引っ張り、1000m通過が58秒5というハイペース。その流れにも助けられたが、中団から力強く伸び、2着馬に2馬身半差をつける完勝で、勝ちタイム1分45秒8は未勝利戦では破格の時計だった。

 続くアザレア賞(4月1日)は一気に距離が延びて阪神の芝2400m戦。前走と打って変わって1000m通過65秒0の超スローペース。しかし、それにもすんなり対応し、早めに抜け出して上がり3ハロンは33秒5の素晴らしい瞬発力を見せ、ゴール前では余裕十分のまま3馬身差をつける完勝だった。

 そして前走の青葉賞(4月29日/東京・芝2400m)。単勝1.5倍の圧倒的1番人気に推され、道中は最後方からレースを進めると、外を回って早めに進出。残り約400m地点で先頭に立つと、そのまま後続との差を広げて突き放す好内容だった。1000m通過は59秒7の平均ペースで、勝ちタイム2分23秒6は、青葉賞で初めて2分24秒を切るレースレコード。2015年ドゥラメンテのダービーレコード2分23秒2に0秒4差の好タイムだった。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る