激論のすえ決定! ダービーを暗示する「3歳牡馬ランキング」最終版 (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Murata Toshiyuki


 激動の牡馬戦線を象徴するように、今回は大幅にランキングが入れ替わった。1位は、青葉賞を制したアドミラブル。これまで圏外だった馬が一気に頂点に立った。過去、青葉賞の勝ち馬がダービーを制したことはないが、このジンクスを打ち破るのか、注目される。

吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「全兄タブレットや全姉イサベルも脚元の不安がなければ、おそらく大成するほどの逸材だったと思います。アドミラブルはそうした兄姉より、つなぎの角度が適性で丈夫そうなのが何よりですね。また、オーナーや管理する音無秀孝厩舎がこの血統を知り尽くしているのは強みでしょう。

 新馬戦9着のあとにノド鳴りが判明し、すぐに手術。そして、約5カ月半ぶりの未勝利で復活し快勝すると、そこからはダービーに照準を合わせたローテーションを歩んできました。青葉賞では、定石とは言えない3角過ぎの仕掛けから、最後まで遊び遊び走って完勝。しかも、2分23秒6というレースレコードまで記録するとは、"強烈"のひと言に尽きます。ミルコ・デムーロ騎手が皐月賞2着のペルシアンナイトのダービー騎乗依頼を保留して、青葉賞後に『ダービーはアドミラブル』と即決したことからもわかるように、素質は世代ナンバー1でしょう」

土屋真光氏(フリーライター)
「正直なところ、皐月賞の時点でも今年のダービー馬はまだ表舞台に出てきていないのではないか、と思っていました。すると、青葉賞でアドミラブルが圧勝。そのレースぶりから、一気に勢力図を塗り替えてしまう可能性を感じました。確かに、ダービーとなれば青葉賞のメンバーとは力の差があります。それでも、青葉賞で見せた余裕たっぷりな競馬から、相手が強くなっても十分通用すると見ています。

 課題は、今年4戦目ゆえの疲労度。中3週での再度の東上。そして、これまでに勝ち馬が出ていない青葉賞組ということですが、母系が2戦2勝の戦績でダービーを制したフサイチコンコルドがいる血統。新たな歴史を作っても不思議ではありません」

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