僧侶が語る、『アストロ球団』とダービーと人生の巡りあわせ (5ページ目)
取り急ぎ、現在地点だけ告げ、猛ダッシュで関西空港へと向かいます。するとですね、手配してくださった旅行会社さんがお骨を折ってくださったようで、なんとか乗る予定だった便に滑り込みで間に合ったのです。
飛行機は遅延することもなく、無事に関空を飛び立ちました。機内テレビでNHKニュースが放映され、ディープインパクト三冠達成と、来場者へのインタビューの映像が流れています。インタビューに答える青年の背後に、見覚えのある坊主頭が映っているではないですか。
「お前、映っとるやんけ!(笑)」と、お叱りを頂戴しましたが、お詫びとして、ディープインパクトの単勝の記念馬券を、お待たせした皆様にお配りしました。
いやはや、縁とは本当に不思議なものです。
(後編に続く)
(中島龍太郎プロフィール)
なかじま・りょうたろう●僧名は龍範。1976年生まれ、神奈川県横浜市出身。父は『週刊少年ジャンプ』の熱血バトル路線の祖『アストロ球団」などを執筆した漫画家の中島徳博。高野山大学卒業後、密厳院で働きながら中国語を学び、06年より中国福建省に駐在。帰国後も高野山にて奉職。14年に雑誌『優駿』にて「競馬好きのお坊さん的幸福論」で優駿エッセイ大賞を受賞。
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