桜花賞組が強いオークスで、今年に
限ってはスイートピーS組に気配あり

 桜花賞2着のリスグラシューも、勝ち負けに絡んでくる可能性が高い1頭です。前走の好走は馬の実力以上に、あのコースを通した鞍上の武豊騎手の手腕によるところが大きかったと思いますが、それも込みで今回もチャンスがあると見ています。

 桜花賞組ではもう1頭、2番人気に推されたアドマイヤミヤビも気になります。

 同レースでは12着と残念な結果となりましたが、道中最後方を追走して直線に入ってからも大外へ出すというロスの多い競馬でした。これは、鞍上のミルコ・デムーロ騎手が返し馬の時点で、「今日の馬場は合わない」ということを察して、ロスがあっても少しでも馬場のいいところを走らせるための行動だったように思えます。

 結果的には、まったく見せ場も作れずに終わってしまいました。ソウルスターリング以上に、馬場が合わなかったのでしょう。

 しかしオークスは、実績のある東京コース。良馬場なら、巻き返せると思います。百日草特別(2016年11月6日/東京・芝2000m)、クイーンC(2月11日/東京・芝1600m)を快勝し、そこで負かした相手を考えれば、ここで勝っても何ら不思議ではありません。

 今年は桜花賞組がやや優勢に見えますが、トライアル組にも気になる馬がいます。スイートピーS(4月30日/東京・芝1800m)を勝ったブラックスビーチです。今回の「ヒモ穴馬」には、この馬を取り上げたいと思います。

 春の東京競馬場は2月の開催から約2カ月開いて、新緑の季節の中で芝生がきれいに生えそろいます。開幕序盤、それも絶好の良馬場となれば、走破時計や上がりタイムはかなり速くなります。ゆえに、オークスやダービーのトライアルでは、際立った時計が出やすいのです。

 とりわけスイートピーSでは、先に行なわれるトライアル戦、GIIフローラS(4月23日/東京・芝2000m)に比べて一枚落ちのメンバー構成ながら、それなりに強い馬が参戦すると、時計も、上がりも速くなります。そのうえ、1頭だけ抜けたレースを見せることとなり、その馬に対して「強い」というイメージが残りやすくなります。

 しかしながら、過去の傾向が示すとおり、そこで強い競馬をしても本番で好走する馬はほとんどいません。記憶にあるのは、スイートピーSで3連勝を飾って本番でも優勝したカワカミプリンセス(2006年)と、同レースで2着となって本番でも3着と好走したラブカーナ(2007年)ぐらいです。

 まだ3歳の春という若駒牝馬にとって、権利を獲るためにトライアルで目一杯の競馬をして、中2週で迎える東京・芝2400mの舞台、それもGIというタフなレースでは"おつり"が残っていないのでしょう。

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