桜花賞組が強いオークスで、今年に限ってはスイートピーS組に気配あり

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 東京競馬場での5週連続GI開催もいよいよ佳境を迎えています。

 今週は優駿牝馬(オークス。5月21日/芝2400m)、そして次週は東京優駿(日本ダービー。5月28日/芝2400m)。この2週間は、競馬ファンの方々はもちろん、競馬関係者にとっても特別な2週間となります。有馬記念やジャパンカップとは違って、サラブレッドにとって一生に一度だけの舞台でもあり、競馬界が1年で最も注目され、熱気にあふれる時期と言えるのではないでしょうか。

 優駿牝馬オークスは、今年も"樫の女王"を決めるに相応しい好メンバーがそろいました。

 まずは、桜花賞組。なかでも注目は、単勝1.4倍という断然の支持を得たソウルスターリングでしょう。

 桜花賞(4月9日/阪神・芝1600m)では、ゴール前で伸びを欠いて3着。しかも、2着リスグラシューに差されて、4着カラクレナイ、5着アエロリットにも際どいところまで迫られました。それまでの圧倒的な競馬からすると、とても想像できない内容でした。

 敗因は馬場に尽きると思います。直線で何度も手前を替えていたようですからね。思いのほか道悪を苦にして、おそらく馬がバランスを取ろうとしていたのでしょう。

 それだけ明確な敗因があっても、確かに物足りなさは感じました。しかし今度は、軽い芝の東京コース。良馬場で行なわれれば、この馬のセールスポイントである高いスピード能力と、その持続力がフルに発揮されるはず。巻き返してくる可能性は十分にあるでしょう。

 桜花賞を制したレーヌミノルは、馬場適性が高かったこともありますが、そもそも小倉2歳S(2016年9月4日/小倉・芝1200m)で6馬身差の圧勝劇を演じた実力馬。1200mの競馬で6馬身差をつけるなんて、なかなかできない芸当です。それだけスピード能力が高く、世代を代表する1頭だったと思えば、納得の結果と言えます。

 それと、1週前の調教で乗っていたときから感じていましたが、鞍上の池添謙一騎手とはすごく手が合っていたのだと思います。

 今回ポイントになるのは、やはり距離。スピードのある馬だけに、道中の折り合いがつくかどうか。また、血統的にもダイワメジャーにタイキシャトルの肌とマイラー色が強く、兄姉の好走例も2000m未満のレースに集中していますからね。

 折り合いに関しては、ピタッと折り合っていた桜花賞を見る限り、意外と大丈夫かもしれません。距離についても、オークスではどの馬も距離を意識して折り合いに専念するため、わりと持つことが多いんですよね。その結果、恵まれた展開になる可能性は高く、人気を落とすようなら怖い存在となります。

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