老舗牧場の歴史を紡ぐレーヌミノル。
オークスで「新たな伝説」となるか

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

「ダイワメジャーとの間に生まれた子は、どの馬も体のつくりや走りが素晴らしかったんです。気性的に難しい面があって活躍できませんでしたが、今でも能力的にはみんな、レーヌミノルにもヒケを取らないと思っているほど。ですから、『この配合は間違っていない』と信じ続けていました。さらに『この配合で牡馬が出てくれれば』とも思っていましたね。ただ、生まれてきた子はみんな牝馬だったのですが(笑)」

 牝馬が続いたものの、最後の馬が桜花賞馬になったのだから、藤原氏も感無量だろう。「これによって、またこの血統が(未来に)つながっていくことがうれしい」と笑顔を見せる。

 牧場との強い絆を持ったレーヌミノル。次に彼女が挑むのは、2400m戦のオークスである。距離への不安は一層増すが、それでも桜花賞で見せた底力が長い直線で再び武器になるはずである。藤原氏も、当日は舞台となる東京競馬場に駆けつけるという。

「前走で素晴らしいレースをしてくれたので、期待して応援に行きたいと思います。もちろん、勝つのは簡単ではありませんが、がんばってほしいですね。そして、レーヌミノルが多くの方々から応援していただける存在になってくれればうれしいです」

 4代母ヤマトタチバナから続くゆかりの血統。その血を紡ぐレーヌミノルは、まさに牧場の歴史そのものであり、経営してきた親子の歴史そのものでもある。そんな歴史にまもなく、輝かしい1ページがさらに増えるかもしれない。

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