老舗牧場の歴史を紡ぐレーヌミノル。
オークスで「新たな伝説」となるか

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 ただそれ以降は、桜花賞に至るまでなかなか勝ち星をつかむことはできなかった。GII京王杯2歳S(2016年11月5日/東京・芝1400m)で2着、GI阪神ジュベナイルフィリーズ(2016年12月11日/阪神・芝1600m)で3着などと、惜しい競馬を重ねながらも勝利にはあと一歩届かなかった。桜花賞直前のGIIフィリーズレビュー(3月12日/阪神・芝1400m)でも、1番人気に推されながら2着に敗れてしまった。

 こうした状況にあって、桜花賞前にはレーヌミノルに対して「早熟ではないか」という評価も上がっていた。しかし藤原氏は、何ら悲観することはなかったという。

「桜花賞までは、勝ち負け以上に経験を積むことが優先という方針だと厩舎の方から聞いていました。ですから、負けてもそれほど気にしてはいませんでした。そもそも、そんなにうまくいく世界ではないですからね。でも結局、(惜敗を重ねた)あそこでの経験が生きて桜花賞を制したわけですから、厩舎の取り組みがよかったと思っています」

 桜花賞では8番人気という低い評価だったが、藤原氏は「うちの馬はもうちょっとやれる」と信じていたという。また、レース前には1600mという距離に対しても不安が囁かれていたが、それについてもあまり心配していなかったようだ。

「最後の直線でかわされるレースが続いていましたが、それは距離が影響していたとは思っていませんでした。スタートがうまく、スピードもあるので、どうしても早め先頭になってしまう。しかも直線の長い競馬場が多かったので、最後にかわされてしまうのは展開的なもの、という印象を持っていました」

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