2千万馬券も飛び出す
ヴィクトリアマイル。
波乱の使者はこの3頭だ

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 ヴィルシーナは2013年に1番人気で制しながら、翌2014年には11番人気の低評価だった。しかし、それを覆(くつがえ)して連覇を飾った。2015年に5番人気でこのレースを制したストレイトガールも、翌年には7番人気と評価を落としたものの、連覇を果たした。

 また、2012年の覇者ホエールキャプチャ(4番人気)も、翌2013年には12番人気と大きく評価を落としたが、2着に入っている。

 ここからわかることは、前年に好走したリピーターが強いということ。そしてもうひとつ、実力のあるGI馬が近走の不調で人気を落としながらも、ここで復活するケースが多いということだ。

 そもそも好不調の波が激しい牝馬。近走の成績が芳しくなくても、そのときの状態や条件によって、一変する余地は常に秘めているのだ。

 そこで今回期待したいのが、クイーンズリング(牝5歳)である。

 昨年のGIエリザベス女王杯(2016年11月13日/京都・芝2200m)を制した同馬は、このメンバーの中でも実績上位。ただ、その後のGI香港カップ(2016年12月11日/香港・芝2000m)で9着と惨敗すると、休み明けで挑んだ前走の阪神牝馬Sでは15着と大敗を喫した。

 そうした状況にあって、さすがに同馬に対する評価は急降下。だが、そんな馬が復調し、大駆けを見せるのがこの舞台である。

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