NHKマイルCは有力牝馬4頭に好材料。今度こそ、牡馬を蹴散らすか (4ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki  photo by Yamane Eiichi/Aflo

 ミスエルテ(牝3歳・池江泰寿厩舎)は桜花賞で5番人気11着だった。大敗からの巻き返しは難しいというデータが残っているが、同馬は桜花賞が約4ヵ月ぶりの一戦だったので、叩いての上積みが期待される。昨年のGIIIファンタジーS(2016年11月5日/京都・芝1400m)では大外一気の豪快な差し切り勝ちを見せており、末脚の破壊力はトップクラス。昨年暮れのGI朝日杯フューチュリティS(2016年12月18日/阪神・芝1600m)では牡馬相手に、道中折り合いを欠き6番手追走と、いつもとは違う競馬になりながらも4着に頑張っており、改めて能力の高さを示した。

 父は昨年のGI阪神ジュベナイルフィリーズを勝ったソウルスターリングと同じフランケルで、イギリスのGI10勝を含む14戦14勝の名馬。現3歳が初年度産駒となる。NHKマイルCの前日(日本時間6日深夜)に、イギリスで日本の皐月賞にあたるGI英2000ギニー(芝約1600m)が行なわれ、そこにもフランケル産駒のエミネント(英GIIIクレイヴァンS勝ち)、ドリームキャッスル(英GIIIグリーナムS2着)と2頭の有力馬が出走予定。血統の流行り廃(すた)りは結構、国を超えてあるもので、そこで勝ち馬が出るようだったら、その流れで日本でもフランケル産駒のミスエルテが激走というシーンがあるかもしれない。英2000ギニーにも目を配っておきたい。

 リエノテソーロ(牝3歳・武井亮厩舎)は昨年のJpnI全日本2歳優駿(2016年12月14日/川崎・ダート1600m)勝ち馬。芝でも昨年9月のすずらん賞(2016年9月4日/札幌・芝1200m)など2勝を挙げている。前走のアネモネS(3月11日/中山・芝1600m)で4着に敗れてデビューからの連勝は4でストップしたが、プラス10kgと余裕残しの馬体重で、スムーズに好位を追走し、勝ち馬から0秒2差に食い下がった内容は、距離にもメドが立ち、それ自体は悪くなかった。父スペイツタウンの産駒はダートの短距離タイプが多いが、本馬はその枠にとらわれない存在かもしれない。軽視は禁物だ。

 以上、4頭の牝馬を紹介したが、どれも買い材料を持っており、中でもカラクレナイとアエロリットは好走の確率が高そうだ。2005年以来となる牝馬によるワンツーフィニッシュがあっても不思議ではない。

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