香港QE2杯は日本馬じゃなく、地元馬ワーザー狙いでウハウハ稼げ! (2ページ目)

  • 土屋真光●文・写真 text & photo by Tsuchiya Masamitsu

 また、全7勝中4勝が今回と同じ、コーナーを4回通過する右回り芝コースで、そのうち3回がシャティン競馬場に近いとされる洋芝の札幌競馬場でのもの。9着だった香港マイルよりも、むしろ適性ではこちら、と考えてよいだろう。

 さらに頼もしいのが、鞍上に迎えられた"マジックマン"ことジョアン・モレイラ騎手の存在だろう。先月行なわれたGIドバイターフでも、神がかり的な手綱さばきでヴィブロスを勝利に導いた。現地の関係者によれば、シャティン競馬場を知り尽くすこの当地リーディングジョッキーを早くから押さえていたとのこと。この辺りからも勝負気配がうかがえてる。

 レースの3日前となる27日木曜日の朝には、そのモレイラ騎手を背に、芝コースで最終追い切りが行われた。あいにくの雨模様となったが、「追い切りの日を今日(木曜日)か明日か決めかねていましたが、ちょうどいいクッション状態だったので」と堀調教師が判断してのもの。一旦、軽めのキャンターで600mほど走り、残り800m付近までダクで移動、そしてここからスピードを上げ、56秒8(800m)-23秒6(400m)でフィニッシュ。モレイラ騎手は終始手綱をがっちりと抑えての馬なりで、引き上げてくるときには「レースに向けて準備はバッチリ!」と馬上から笑顔を見せていた。昨年の香港マイルの時は、馬場入りも遅れ、調整過程があまり順調でないように見えた。そのときと同じ馬だとは思わないほうがいいだろう。

 展開面でもネオリアリズムに有利に働きそうだ。今回出走の8頭の中に、これといった逃げ馬は不在。ネオリアリズムも決して逃げ馬ではないが、昨年の札幌記念は逃げたことでモーリスを完封した。位置取りについてには言及を避けていたが、札幌記念ではモーリスに騎乗していたモレイラ騎手の頭の中にも、その展開はイメージされているだろう。

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