天皇賞・春に2強決着なし。歴史が「この3頭を狙え!」と言っている (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 そこで、ヒントとなるのは、過去の「2強対決」で台頭した馬である。なるべく最近の傾向をつかむことを考えれば、2013年と2015年のレースを参考にしてみたい。

 2013年は2番人気フェノーメノが勝利したが、2着は3番人気のトーセンラーが入った。3番人気とはいえ、単勝オッズは13.6倍と上位2頭からは大きく離されていた。そういう意味では、番狂わせと捉えてもいいだろう。

 当時5歳だったトーセンラーは、3歳秋のGI菊花賞(京都・芝3000m)で3着と好走。京都での長距離戦における適性を示していたと言えよう。

 これと似たタイプを今年のメンバーから探してみると、1頭の馬が候補に挙がる。レインボーライン(牡4歳)だ。

 同馬は、昨年の菊花賞(2016年10月23日)でサトノダイヤモンドの2着と奮闘。京都での長距離戦に適性があることを示している。さらにその後、古馬相手のGIジャパンC(2016年11月27日/東京・芝2400m)でも、6着ながら勝ったキタサンブラックにコンマ6秒差と健闘し、トップクラス相手にも戦える地力があることを証明した。

 ジャパンC後は休養に入って、年明け初戦のGII日経賞(3月25日/中山・芝2500m)は4着に敗れたが、そこを叩いて状態は上向き。古馬となって、心身ともに成長したレインボーラインが、「2強」の一角を崩しても不思議ではない。

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