天皇賞・春の「2強」論争に異議あり!割って入るのはシャケトラだ (5ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu  photo by Yamane Eiichi/Aflo

 さらにひと言、付け加えた。

「もちろん、そこがシャケトラの強さなんでしょう。それは本番でも武器になると思いますよ」

 スローペースを後方からまくって勝つ、力がなければできない芸当だ。ましてやこのレースのタイムは、昨年の有馬記念とコンマ2秒差。位置取りの違いはあれども、上がりタイムは有馬記念のサトノダイヤモンドやキタサンブラックを上回るものだ。

「当然、2強は強いと思います。キタサンの(武)豊さんは他の馬に気を取られず自分の競馬に徹するでしょうし、サトノのルメール騎手もキタサン以外眼中にないでしょう。その隙を突きたいな、と思います」

 もちろん枠順にもよるだろうが、ここでも馬のリズムを重視した位置取りになるのだろうか。

「課題は2回4コーナーを回ることですよね。京都の4コーナーは特に坂を下ってきたところで、しかもコーナーがキュッとなっている。勢いを殺さずに馬を走らせようとすると、どうしても外に広がっていってしまう。大きく外を回ってからインに切れ込むように曲がれればいいんでしょうけど、1頭で走るわけじゃないですからね。とはいえ、条件は他の馬も同じですから、くよくよ考えても仕方ない」

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