遅れてきた大物が登場。音無調教師がダービーを意識したアドミラブル (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 さらに、続く500万下のアザレア賞(4月1日/阪神・芝2400m)では、一転してスローペースのなかを3馬身差の快勝。上がり33秒5の末脚を繰り出して、余裕たっぷりに後続を突き放した。

 ノド鳴りを乗り越えて、見えてきたダービーへの道筋。管理する音無厩舎も、この馬に大きな期待をかけているという。関西競馬専門紙のトラックマンが語る。

「サラブレッドのノド鳴り手術はよく行なわれますが、実は完治しないことも多いんです。しかしこの馬については、『レースを見れば、完治しているのは明らか』と音無調教師。とにかく先生が驚いたのは初勝利の内容で、『その瞬間にダービーを意識した』とのこと。『能力はもともと評価していたが、それをレースで発揮できるようになった』と話しています」

 前走後、陣営はすぐにGII青葉賞(4月29日/東京・芝2400m)への参戦を表明。ここで権利を獲得して、本番へと向かうプランだ。

 音無厩舎にとって、まだ獲得していないダービーのタイトル。その戴冠へ、アドミラブルは大きな望みをかける存在となるが、「不安点はほとんどない」という。それだけに、同馬へかける期待はますます高まっている。先述のトラックマンが続ける。

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