マイラータイプが好走の皐月賞。ズバリ今年の穴は、アウトライアーズ (3ページ目)

 ところで、先ほど定めた定義のもうひとつ、今年の世代でマイラー色の濃い馬はいるのか?

「ダービー(東京・芝2400m)では距離が長いだろうな......」と思われる馬は何頭かいます。なかでも、早々と陣営が「皐月賞後はNHKマイルCへ」と公言しているアウトライアーズ(牡3歳)は、その筆頭です。陣営がそこまで言うのですから、マイラーなのでしょう。

皐月賞で波乱を起こしそうなアウトライアーズ皐月賞で波乱を起こしそうなアウトライアーズ 確かに、3走前の百日草特別(3着。2016年11月6日/東京・芝2000m)、そして前走のスプリングS(2着。3月19日/中山・芝1800m)でも、鞍上の田辺裕信騎手が抑えるのに苦労しているように見えました。それでも、それぞれのレースでギリギリ我慢して善戦できたのは、田辺騎手の巧みな技術のおかげでしょう。

 もちろん、同馬の実力もあるから、たとえ適距離でなくても好走できたのです。最後の坂をものともせずグイグイ伸びてくる決め手には、中山コースへの適性の高さを感じますし、2000m戦までは十分守備範囲でしょう。

 また、このレースに臨む過程において、陣営の期待と自信がうかがえます。

 2勝目を挙げたのが昨年末。普通なら、年明けのどこかで重賞を使うところでしょう。しかしこの馬は、休養してスプリングS1本に絞って挑んできました。

 これは、ぶっつけで、しかもオツリを残した状態でトライアルに挑んでも、優先出走権(3着以内)が獲れるという自信があったからではないでしょうか。それは同時に、陣営の同馬への期待の表れだと思います。

 今回は、このアウトライアーズを「ヒモ穴馬」に抜擢したいと思います。まだ重賞勝ちはありませんが、大一番での一発に期待しています。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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