牝馬が強い年の皐月賞で、波乱を起こした馬と似た「伏兵」が3頭いた (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 2014年は、3歳牝馬のハープスターが大きな注目を集めた年。この世代の2歳重賞では牝馬がことごとく勝利を収めたこともあって、ハープスターのダービー挑戦も度々噂に上った。事実、この年の牡馬クラシックでは、皐月賞にバウンスシャッセ、ダービーにレッドリヴェールと、牝馬の"挑戦"が相次いだ。いずれも結果は惨敗に終わったが、やはり牡牝のレベル比較が根底にあって起こった現象だろう。

 では、それらの年の皐月賞はどうなったのか。

 まず2007年については、大波乱の結果となった。勝ったのは、7番人気のヴィクトリー。2着には15番人気のサンツェッペリンが入った。2頭は、道中1、2番手を進み、そのままゴールまで先頭争いを繰り広げた。まさしく"行った、行った"の大番狂わせである。

 2014年は、2番人気のイスラボニータが優勝し、2着には1番人気のトゥザワールドが入った。ここまでは順当だったが、3着には8番人気の穴馬ウインフルブルームが食い込んだ。こちらも、逃げてそのまま粘り込んで波乱を演出した。

 いずれの年も低人気を覆(くつがえ)したのは、強気に前へ行った先行馬だった。であれば、今年もチャンスがあるのは、そのような馬ではないか。

 そこで、気になるのは先行馬と言えるファンディーナ。ただ、牡馬相手に初めての2000m戦ということを考えれば、決して無理はしないはず。前に行くとしても3、4番手で、折り合い重視のレースに専念するのではないだろうか。

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