牝馬に負けるか! 皐月賞は
王道ローテのスワーヴとカデナを信じる

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu  photo by Kyodo News


 スワーヴリチャードは2歳の9月にデビュー以来4戦2勝2着2回。それぞれ阪神と東京2戦ずつで、初めての競馬場では2着に敗れながらも、経験を得た2戦目ではともに勝利を挙げてきた。昨年のGIII東京スポーツ杯2歳ステークス(2016年11月19日/東京・芝1800m)で2着となったあと、今年は2月の共同通信杯に出走し、1番人気に応えた。皐月賞はそれ以来2ヶ月ぶりの出走となる。

 共同通信杯からの直行といえば、昨年のディーマジェスティを筆頭にドゥラメンテ、イスラボニータ、ゴールドシップと過去5年で4頭の勝ち馬が出ており、今や必勝ローテーションと言える。舞台となる東京芝1800mは紛れが少なく、実力どおりに決まりやすい。当然、他の陣営も同じ思惑で出走させる中、一戦必勝態勢で結果を出してきただけに、今年の勝ち馬であるスワーヴリチャードにかかる期待も大きい。

 指揮官である庄野靖志調教師も共同通信杯勝利後に「勝って賞金を加算できたことで、(この後は)皐月賞一本に絞れるのは大きい」と話した。

 一旦放牧に出されたスワーヴリチャードは、2週間ほどでトレセンに戻ると、3月1週目には早くも時計を出し、じっくりとパワーアップに努めている。東京スポーツ杯から共同通信杯が約3ヵ月で、今回が2ヵ月の間隔。休み明けを苦にするタイプではない。むしろ、東京スポーツ杯でハナ差だったムーヴザワールドを、共同通信杯では3馬身近く引き離したように、間隔を取ることで成長が促されてきた。課題は初コースとなる中山だが、この点も庄野調教師は自信を見せる。

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