5歳で完成期のサトノクラウン。「種牡馬の価値」もかけて大阪杯へ (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

「2戦目のスタート直前で立ち上がるなど、レースを見ているとうるさそうなイメージがありましたが、実際に扱うとそういった面は感じませんでした。それよりも、本気で走らないというか、前向きさに欠けるところがあったんですよね。マイペースで、わがままな印象でした(笑)」

 未完成の馬体、マイペースな精神面。競走馬としては、心身ともに明らかに改善の余地を残していた。だが、それでいてサトノクラウンは3戦目のGII弥生賞(2015年3月8日/中山・芝2000m)もあっさり勝って、3連勝を遂げる。これには、小出氏も驚きを隠せなかった。

「弥生賞での強いレースぶりを見て、この馬の高い能力を感じました。今後、持っている能力に体が追いついていって、さらに精神面の成長が図れれば、かなりいい馬になるのではないか、と思いましたね」

 弥生賞のあと、クラシックに臨むと、GI皐月賞(2015年4月19日/中山・芝2000m)では6着、続くGI日本ダービー(2015年5月31日/東京・芝2400m)では3着と健闘した。休養後、天皇賞・秋(17着。2015年11月1日)では古馬相手に振るわなかったものの、年が明けて4歳になると、冒頭で記したように京都記念を快勝し、古馬になってからの飛躍を予感させた。

3 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る