5歳で完成期のサトノクラウン。「種牡馬の価値」もかけて大阪杯へ (2ページ目)
そして迎えた今回の大阪杯。サトノクラウンにとっては、さらなる地位向上への大きなチャンスと言える。
ただ、この最近の充実ぶりを「復活」と表現するのは、適切ではないかもしれない。むしろ、以前よりも一段上のレベルにパワーアップした、と見るべきだろう。まさに"完成期"に近づいている、と。
それを物語っているのが、ノーザンファームしがらき(滋賀県)で同馬を担当してきた小出雅之氏の言葉だ。
短期放牧の際などには、この地を訪れているサトノクラウン。小出氏が初めて間近で見たのは、デビュー2戦目のGIII東京スポーツ杯2歳S(2014年11月24日/東京・芝1800m)を快勝したあとだった。そのとき、小出氏はこんなことを感じたという。
「パッと見た感じは、決して見栄えのする馬ではありませんでした。馬体には弱さのある部分が見られ、そこをカバーするために、周りの筋力を鍛える必要がありました。それによって、どこまで体の弱点を補っていけるか、そういったことを(当時は)考えていましたね」
さらに、精神面においても課題があった、と小出氏が続ける。
2 / 6