新設GI・大阪杯。「ぶっつけ参戦」のキタサンブラックに隙はないか (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

【距離・展開】
 キタサンブラックの芝2000m成績は3戦1勝。デビュー2戦目の500万下(東京芝2000m)を勝利し、GI皐月賞は3着、昨年のGII大阪杯は2着だった。デビューした頃は中距離タイプのイメージだったが、一昨年にGI菊花賞を制し、本格化を果たした昨年は逃げ先行を武器にGI天皇賞・春(京都・芝3200m)、GIジャパンカップ(東京・芝2400m)も勝って、2400m以上のレースで結果を残している。競馬は一般的に距離が短くなるほどレース展開が速くなりがちで、逃げ先行馬には厳しくなり、差し追い込み馬が台頭するケースが多い。今回はマルターズアポジーが逃げ、キタサンブラックが2番手につける展開が予想されるが、2番手でも厳しい流れになりそう。後ろから差す馬たちを抑えられるかどうかには不安が残る。

■結論
 最近は長距離寄りのレースを多く使い、成績を残している。この距離では展開が厳しくなりそう。

【ローテーション】
 キタサンブラックにとって、このレースは今年初戦。過去、3ヵ月以上の間隔が開いたレースは、2015年9月のGIIセントライト記念1着、2016年4月GII大阪杯2着、2016年10月GII京都大賞典1着となっている。3戦2勝2着1回と好成績で、休み明けは苦にしないが、久々のレースがGIというのは初めて。他馬がひと叩きしてここを目標に仕上げてくるのに対し、キタサンブラックはこのレースを皮切りにGI天皇賞・春、GI宝塚記念と、春のGI3連戦を予定している。100%の仕上げでは出てこないだろうし、他馬との比較上は分が悪いと言わざるを得ない。

■結論
 キタサンブラック自身、休み明けに不安はないが、他馬との比較で仕上がり状態に不安。

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