高松宮記念は2着が荒れる。過去の波乱とドンピシャな穴馬が3頭いた (4ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 例えば、2014年の覇者コパノリチャード。同馬はそれまで1400m以上の距離しか経験していなかったが、高松宮記念で初めてスプリント戦に挑戦し戴冠を果たした。ミッキーアイルが2015年に3着となった際も、初のスプリント戦だった。

 2007年、13番人気ながら2着に入ったペールギュントもそうだ。マイルから中距離路線で活躍していたが、初挑戦の1200m戦で見事な快走を披露した。

 つまり、スプリント経験がなくても、地力があれば上位入線のチャンスがあるということ。今回、その可能性を秘めるのは、フィエロ(牡8歳)だ。

 同馬は過去に2度マイルGIで2着になるなど、マイル路線でトップホースとして戦ってきた。今年8歳となる大ベテランだが、近走でも重賞で連続3着と奮闘している。

 スプリント戦は、今回が初挑戦。常識的には厳しいかもしれないが、先述した傾向や、地力があることを考えれば、波乱を演出しても不思議ではない。馬券的な妙味もかなりありそうだ。

 わずか1分数秒で勝負が決まるスプリント戦。ちょっとしたことで着順に差が出るからこそ、穴馬が食い込む余地は大いにある。これから続いていく大一番を存分に楽しむためにも、まもなく花開く桜のつぼみと同様、春のGIシリーズ開幕戦で財布も大きく膨らませたい。

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