レッドファルクス軽視に異議あり。高松宮記念は本当に「混戦」なのか (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 芝とダート、両方で走ってきたのは、あくまでも"左回り"を最優先したため。左回りで、なおかつ芝かダートかどちらかに絞ってしまうと、レース数が少ないですから。血統的にもダートがこなせそうだったので、そういった使い方になりました」

 現に、デビュー戦となった2歳新馬(2013年11月)では左回りの東京・芝1400m戦で2着と健闘するも、2戦目の2歳未勝利(2013年12月)では右回りの中山・芝1600m戦で惨敗。2番人気に支持されながら、途中で最後方まで下がるチグハグな競馬を見せて9着と凡走した。

 以降、昨春のコーラルS(2016年4月2日/阪神・ダート1400m)まで2年以上も右回りのレースで使われることはなかった。

 だが、それほどの"サウスポー"がGIの勲章を初めて手にしたのは、右回りのレースだった。

 なぜか? 今度はこの部分に、レッドファルクスの"変化"を垣間見ることができる。再び佐伯氏が語る。

「左トモの状態を含めて、もともとレッドファルクスは体があまり強くないタイプでした。でも、レースを使いすぎず、じっくりと成長をうながしてきたことで、だいぶ丈夫になってきました。そのうち、稽古で右回りを走っても、以前ほど悪い走りをしなくなったんですよ。それで一度、右回りを使うことになったのです」

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